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ル・ポン国際音楽祭2024

今週開幕した「ル・ポン国際音楽祭2024」の初日を聴いてきました。

赤穂と姫路で開催されるこの音楽祭は、樫本大進さんが音楽監督となり発足し、世界各国の名手たちが集います。いつも素晴らしいアンサンブルで、くわえて一風変わった(?)聴き馴染みのない曲を取り上げることが多いので、それも楽しみにしています。わたしはここ数年行けなかったのですが、今年は赤穂の温泉もセットで旅することにしました。

演奏者は数少ないリハーサルで、高度に完成された音楽を聴かせてくれます。初日のプログラムは、どれも演奏者の個性が際立つ魅力的な演奏でした。とくに、アレッシオ・バックスさんのピアノが素晴らしかったです。パドモアさんの歌うシューベルト(白鳥の歌)は、心地良い朗読を聴いているようで、バックスさんは歌声に寄り添い、曲それぞれの景色を見事に表現されていました。続くシューベルトのピアノ三重奏曲でも、彼の存在感は特別でした。弾いている顔の表情、身振り、手振り…いずれも何一つ誇張することなく、自然体でありながら、音楽そのものは雄弁に物語っていました。しっかりとトリオのバランスを保ち、全体をまとめていたのも勉強になりました。また、ピアニストは、アンサンブルの相手が声楽なら発音に、弦楽器なら弓の初動に、かなり注意を払わないといけないと思いますが、その点絶妙なタイミングで音を出していました。彼のピアノ・ソロの場面でも、まるで歌詞がついているかのような歌い回し、弦楽器のような和音、頭にどんな音を描いているのかが明白でした。

ずっと聴いていたいような響きに浸って、その日はあたたかい温泉にも浸かって、癒された小旅行となりました。

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