Tamae Kawai
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～神戸新聞「随想」より～
私にとって「音」は、現実と異界の橋渡しをするものだ。そうして「音楽」になる。幸い日本には、昔から妖怪が身近にいる。…妖怪の多くは、日々の生活の戒めや近代化に対する警鐘、自然への畏れの念から生じているため、ごく自然に日本人の生活の中で共存してきた。呼べば向こうからひょっこりやってくる気がする。 現在日常生活では雑音が氾濫しているが、私は「音」を生み出すことを生業とする者として、より敏感な心で、より研ぎ澄まされた神経で、音に接するよう心がけている。