先日、久しぶりにシューベルトの歌曲《魔王》を弾く機会がありました。正直に言うとあまり(全然)気乗りする曲ではありませんが、気が乗らないことには弾けないので、自分を奮い立たせて臨みます。オクターブの連打で有名なピアノ・パート。果たして自分の右手は機能するのか?とおそるおそるスイッチを入れます。
本番のあと、歌手の方と身体の使い方について話していました。元体操選手だったその彼は、声楽に集中するために3カ月体操をお休みしたところ、まったく身体が動かなくなっていた、と。筋肉は動かさないと衰えるという、ごく当然の話なのですが、今回の魔王で痛感しました。そういえば、動物行動学の竹内久美子さんの著作でも、いかに人間がサルだった頃に戻ろうとするか、書いてあったなあ。背筋を曲げている方が楽だとか。ピアノを弾く指の動きや手腕の動きは、サルの時代にはあり得なかったわけだから、鍛錬が必要なわけですよね。
反省しながら、それでも何とか終えたことに感謝しつつ、その日はいつの間にか寝ていました。次に弾くときは、もっと楽に弾けますように…。