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雑感

早いものでもう3月が終わろうとしています。桜が楽しみです。今月は多くの曲を弾いたので、その中からとくに印象に残ったものの一口メモを書いておきます。

◯ヴェルディ:《レクイエム》よりingemisco

ヴェルディのレクイエムの中でも、大きな聴かせどころのひとつ、テノールの有名なソロです。楽譜をよくよく見てみると、意外にも(?)細かいダイナミックスなどの指示があり、意外にも(?)繊細な表現が求められています。リッカルド・ムーティ先生が、本だったかインタビューだったか忘れましたが、レクイエムの冒頭で、テノールのソロが始まる部分、「キーリーエー」と声を張り上げる演奏がほとんどだが、どこにもf(フォルテ)とは書いていない、声をひけらかすような演奏はケシカラン、というようなことを仰っていたのを思い出しました。劇的な効果のあるこのレクイエムですが、瞬間湯沸かし器のような演奏にならないようにしたいです。

◯コルンゴルト:《死の都》よりピエロの歌

コルンゴルトは今、再評価されていて、再演の機会が多い作曲家です。とくにオペラ《死の都》は人気の高い作品ですし、このバリトンのアリアは定番のレパートリーになりつつあります。コルンゴルトはブルノ生まれですが第2次世界大戦の際アメリカに亡命し、映画音楽の分野で大成功をおさめます。しかし、映画音楽=大衆文化として、クラシックの分野からは見下され、その後は忘れられた作曲家となってしまいました。アメリカに行く前からハリウッド的な曲を書いていたと言われるコルンゴルト。確かにこのアリアも、映画のワンシーンが思い浮かぶような色合いを感じます。どことなくキャッチーな。こう書きながらも、「再評価」という言葉自体がおこがましいようなむず痒さを感じます。その言葉の裏にはクラシック音楽の、映画音楽に対する優位性が見え隠れします。映画音楽には詳しくないので…色々聴いてみようと思います。

◯プーランク:フルート・ソナタ

半年に一度くらいお見えになるプーランク。独特の和音使いなので、ずっと弾いていると指が勝手に和音を掴んでくれる感覚があります。そういう意味でもこの作曲家はとくにライヴ感があります。グルーヴというものでしょうか。彼の室内楽は仲間と戯れている感じがして本当に楽しいです。

◯ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

オーケストラの編曲版です。音価が長いのが多いので、合わせるのが難しい…。オーケストラの動画を見ては、指揮者の動きに釘付けになっていました。しかしオーケストレーションは明快で、昔読んだ本で、ドビュッシーのピアノ曲をオーケストラに編曲してみたものがあったのを思い出しました。前奏曲第2巻はすべて3段譜で書かれていますが、やはり弾く側もオーケストラのイメージをはっきりと持っておくことが肝要なのだなと思いました。ピアノでこの曲を弾けたのは幸運でした。

 

他にもシューベルトやらリヴィエやらヴェーバーやら、色々やりました。充実した3月となりました。

来月は4/25にレストランキエフにて、オール・ショパンのリサイタル、4/29にチェロ・リサイタルが控えています。レストランキエフのリサイタルは売れ行きが好調だそうで、客席を拡張して行います。それでも残席僅かとなりましたので、お早めにご予約をお願いします。このHPからでも受け付けます。

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