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朝の演奏会

9/30はここ数年、毎年取り組んでいるプロジェクト、「モーニング・クラシック・コンサート 鳥の音楽」でした。この演奏会は、「自然と音楽」をテーマにしていて、これまで、四季の音楽、雨の音楽、色の音楽を開催し、今回が4回目となりました。着想を得たのは、高橋順子さんの詩集◯◯の名前シリーズから。雨の名前や風の名前、月の名前といった自然を取り扱っていて、読んでいて心が落ち着くので疲れたときによく手に取る本です。こういう演奏会をしたい!と思ったのがきっかけでした。

今回は鳥の音楽。バロックからは定番のダカン《カッコウ》、クープラン《恋の夜泣きうぐいす》に加えて、デュフリ《鳩》を弾きました。そして鳥の音楽といって取り上げないわけにはいかないメシアンの《鳥のカタログ》。今回は「モリヒバリ」を弾きました。他にロマン派からはシューマン《予言の鳥》、シューベルト/リスト《セレナーデ》。これは、夜泣きうぐいす(サヨナキドリ)の声にのせて恋の喜び、苦しみを歌った曲です。そしてヤナーチェクの《草陰の小径にて》からは「燕のように喋り立てる女たち」「フクロウは飛び去らなかった」の2曲。最後はグリンカ/バラキレフの《ひばり》で締めくくりました。

弾くにあたって、当然色んな鳥の声を実際に聴いてみるのですが、何かを訴えるその声は神秘的にさえ思えてきます。そのように耳を傾ける、心を傾ける…人間のその姿勢こそが、数多の作曲家が鳥に惹かれてきた一因でもあるのかなと思いました。

また、市街地で聴く鳥の声はそれほどでもないのですが、山地で聴く鳥の声は、よく反響します。それぞれが遠近を伴って響き合うので、そのハーモニーが美しいと感じます。そういうことが、演奏に反映出来たらいいなと思って弾きました。

ホールは豊中市立文化芸術センターの小ホール。朝の苦手なわたしですが、また来年も頑張りたいと思います。お越しくださった皆様、ありがとうございました。