金木犀の香る季節になりました。道を歩くのが楽しみに。
10/25にベートーヴェンとマーラーの演奏会があり、振り返る余裕もないまま、抜け殻のようになってしまいました。もちろん、今月も来月も演奏会が続くので、それに向けて励んではいますが、思いのほかベートーヴェンとマーラーにはエネルギーを持っていかれました。
そもそも、この演奏会はわたしの自主企画でした。音楽家として(わたしにとって)避けて通れないこの2人の作曲家の作品を、今の自分がどのように弾けるのか、自分の等身大を確認する意味もありました。曲の偉大さも理解したつもりでしたが、あまりにも大きくて、演奏技術はもちろんのこと、集中力や理解力、表現の奥行きなどを試されていることを感じました。宇宙に向かって、存在を認めてもらうべく叫んでいる、そんな心境でしたね。
メゾ・ソプラノの増渕弥生さん、バスの武久竜也さんには、素晴らしい歌唱を披露して下さり感謝です。一緒に音楽を創る過程は本当に楽しかったです。様々に解釈が可能なので、マーラー演奏は十人十色です。それを実感しました。またご一緒出来ますように。美しい摂津響Saalさん、今回もありがとうございました。
さて、マーラーにどっぷり浸かったあとは、シェーンベルクに取り組んでいます。おかげで《浄められた夜》では、マーラーの痕跡をあちこちで見つけることができます。《幻想曲》は教科書のように十二音技法で書かれている曲です。奏者としては、曲の仕組みを理解することは必要な過程ですが、その上で音の響きや質感、リズムを楽しめるように、聴いている人にもそれが伝わるように、演奏したいです。それもまた、マーラーからの継承と言えるのかもしれません。11/15(土)16時開演です。このサイトのお問い合わせフォームへご連絡を下さっても構いません。