いよいよ今週の土曜日に迫った「ベートーヴェンからマーラーへ」。ベートーヴェンの後期ソナタから第28番と、マーラーの《少年の不思議な角笛》全曲を演奏します。加えて今は、11月12月の演奏会に向けて、シェーンベルク、ヤナーチェク、ヒンデミットなど、濃厚な作品に取り組んで、濃密な時間を過ごしています。
マーラーとの出会いは遅く、ここ数年の出来事としては重島清香さんとマーラーのリートデュオをして、すっかり虜になりました。マーラー好きの友人たちとホームパーティーをしたこともありました。たまたま聴いたラトル指揮の交響曲第7番に惹き込まれて、いつか取り組みたい作曲家リストに仲間入り。今回の演奏会に繋がりました。
「角笛」は子どもの目線で書かれた曲集で、ユーモアと悲哀に満ちています。背景は根暗で。人間臭いところ、人生のドラマが詰まっているところがマーラーの魅力だと思っているので、そこを描けるように頑張ります。
ベートーヴェンの28番も大変な難曲です。32曲の中でも最難関の部類に入るのではないでしょうか。構造の中にベートーヴェン流の「仕掛け」が散りばめられている、規模の大きな作品です。冒頭、イ長調とホ長調を彷徨い、問いかけを繰り返しながら進む様子からも、これまでの人生を顧みているようです。いわば人生の縮図のよう。
10/25(土)高槻の摂津響Saalにて、15時開演です。よろしければお越しくださいませ。