土曜日は、長年の友で音楽学者の竹内直氏が立ち上げたユニットCoReの旗揚げ公演でした。ヴィブラフォンの谷口かんなさんと、ケージのノクターン、シェーンベルクのファンタジー、浄められた夜(いずれも池内奏音さん編曲)を演奏しました。ピアノ・ソロはベルクのヴォツェックから子守唄による幻想曲(スティーヴンソン編曲)、ケージのある風景の中で、八村義夫の彼岸花の幻想を弾きました。ゲーテ・インスティチュート京都のウッディな空間で、曲名の通り夢のような時間でした。
ヴィブラフォンとピアノという組み合わせは異色です。どちらも発音すると音が減衰するので、原曲が弦楽器とあって池内さんは苦労されたと思いますが、この2つの楽器にしか出せない音響が魅力的でした。
ケージについて。根っからのサティストであるわたしには、シンパシーを感じられる作曲家です。そっと拭き取ると消えてしまうような音の世界。終わってしまうとすべて夢だったのか、そう思わせるのはサティと共通しています。
シェーンベルクのファンタジーはヴァイオリンとは違った面白さが出たように思います。ヴァイオリンのグリッサンドやポルタメントが表現する妖しさが薄れ、少し健全かもしれません。その代わり、音とリズムがくっきりとし、明快でわたしは気に入っています。
浄められた夜は、弦楽器の多彩な表現を、ピアノで実現するのは苦心しましたが、新訳ということで、あまり原曲にとらわれすぎずに弾くと、新たな響きの発見が多くあり、楽しかった。
総じて谷口かんなさんのもつエネルギーに助けられました。池内奏音さんの素晴らしい編曲にも感謝です。竹内氏には次回以降もユニークな企画を期待しています。来て下さったたくさんのお客様、ありがとうございました。