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上村松園展

大阪中之島美術館「上村松園展」に行ってきました。今週末終了するということで大賑わい。松園さんの人気を目の当たりにしました。

期待した通り、どこを切り取っても本当に美しい。細部に至るまで隙がなく、所作、表情、髪型、指先、着物…全てが完璧に描かれています。あまりに理想的で、気品があり、思わず姿勢を正してしまいます。ピアニストでいうと…ミケランジェリでしょうか。初めて映像を見たとき「実在の人物だったのか」と感動したピアニストです。

さて「母子」などを見ていると、どこか聖母マリアを連想させます。愛情深い眼差しに、清潔感のある佇まい。さらに松園さんの歩んできた道のりを重ねると、「強い女性」を感じます。さまざまな困難や逆風にあっても、理想の女性像を描き続けた芯のブレなさには脱帽です。社会の中の女性の在り方についても、考えずにはいられませんでした。

タイトルは「夕暮」だったか、夕暮れどきに、針に糸を通す場面が描かれたものがありました。その情景も眼差しも印象深かったのですが、そうした「よくある日常の一場面」を描きつつ、まったく雑音がしない。いわば、生活音がしない。ひじょうに芸術的だなと思いました。