先日の日曜美術館を見て、(東京で開催された宮脇綾子さんの作品展には行けませんでしたが)家で図録を眺めていました。身近にある布きれとその柄をうまく利用して、身近にある題材の作品を作っていきます。その色使いがとても丁寧で、またユーモアにあふれていて、感じ入りました。
宮脇綾子さんは1905年生まれ。1945年に戦争が終わったとき、これでやっと、防空壕を行ったり来たりしている無駄な時間を、好きなことに充てることができる!と思ったそうです。それで、家にあった布きれを切って貼って、作品が出来ていきました。これが段々と「芸術作品」になっていく様は興味深いです。晩年になると、余計なものは削ぎ落とされて、シンプルになっていく…。
印象に残った作品は、たくさんの干し柿をまあるく結ってあるもので、宮脇さんの平和への思いが滲み出ているように感じました。ユーモアがありながら切々としていて、温かみも感じられました。
わたしは、後世に残る作品というのは、ユーモアのある作品なのではないかと思うことがあります。音楽でいうと、とくに世界大戦を経験した20世紀の作品には、どれだけ張り詰めた緊張感の中にも、悲劇的な曲であっても、人間の二面性を冷ややかに見つめるユーモアを発見してしまう瞬間があります。
そういうわけで、クンデラ作品を読んでいます。クンデラというと、まさに冗談のような『冗談』という傑作もありますが、今は『笑いと忘却の書』を。クンデラの一流のユーモアを堪能します。