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アンサンブルの楽しみ

わたしは大阪府立夕陽丘高校の音楽科の出身で、高校に入学するときに何が楽しみだったかというと、クラスメイトとアンサンブルが出来る!ということでした。中学生の頃から室内楽に興味を持ち、録音を聴き始めました。よく聴いたのはヤナーチェクの弦楽四重奏曲とか、五嶋みどりさんの弾く小品集とか、ミュンヒンガー指揮の音楽の捧げものとか、有田正広さんの吹くバッハとか…。本当に毎日聴きまくっていたので、高校に入ってピアノ以外の楽器と共演するのが嬉しかったです。

あれから〇〇年、たくさんの方と共演させていただいていますが、今でもアンサンブルが大好きです。わたしは、アンサンブルは個性のぶつかり合いというよりも、心安らぐ語らいであるほうが好きです。本来は、時間をかけて同じ時間を過ごし、互いの考えを知り、同じ音楽言語を共有するところから始まるのが理想ではないでしょうか。わたしの好きなデュオ…たとえばヨーヨー・マとストット、チョン・キョンファとケヴィン・ケナーなどは必ずその行程を経ていると思います。ケヴィン・ケナーはチョン・キョンファよりもだいぶ後輩だと思いますが、ケナーと組んでから音色が変わり、音楽がより自由になり、2人で誰にも真似できない演奏をしてくれます。そこにたどり着くまでに2人で試行錯誤したと想像できます。

なかなかそこまで時間をかけるのは大変ですが、そのような関係性を築くと、人生がより豊かになるのを感じます。付き合ってくれる仲間に感謝!