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高島野十郎の世界

大阪中之島美術館へ。お目当ては没後50年を迎えた高島野十郎展です。高島野十郎という名は存じ上げなかったのですが、NHK日曜美術館で一瞬映った蝋燭の絵が何とも印象的で釘付けになったので、行きたいと思っていました。

第一印象は、「計算された美しさ」でしょうか。徹底した写実と、観る者の視線を見事に誘導する配置の巧みさ。絵のなかで、何に着目すべきかを、如実に教えてくれます。とくにわたしの目を引いたのはカラスウリの絵です。美しい朱い実が、まるで上に上に運ばれていくような不思議。その曲線は官能性を湛えています。

件の蝋燭の絵―いわば17世紀オランダのような写実性を持ちながら、東洋的な思想、観念が感じられるところが、高島野十郎さんの最大の魅力かと思います。レンブラントは光の美しさが際立ちますが、高島野十郎の蝋燭はどこか観念的で、光にも闇にも深い意味が感じられます。それはときには諸行無常であり、ときには生きる希望であり、ときには最期の灯火であり…数多ある蝋燭の絵は、それぞれにさまざまな表情を見て取ることができました。小さな蝋燭の絵が、人の心を惹きつける理由がわかった気がします。

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